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前回、著作権シリーズの第一回ということで「知的財産権のなかの著作権」についてお話しました。

「著作権」と同様に分類される知的財産権の「特許権」「商標権」「意匠権」などとの違いがパッとわかるような内容ですので、まだ読んでいない方は是非ご一読あれ。

 

ということで今回は第二回、「著作権についての概要・前編」をご紹介したいと思います。

これさえ読めば、「え!?私がしようとしてることって著作権侵害?」という気づきが得られます。

つまり、著作権侵害のリスクを避けられるようになる大変重要な知識が得られます!

 

前編では、「著作物とそうじゃないもの」の違い。

後編では、「著作権侵害で何が起きるのか」「著作権で保護される権利」について。

 

今回の前編を読めば、とりあえず「あ、これを使うと著作権侵害になっちゃうかも」という判断材料は得られます。

後半は少し深いので、著作権で何が起こるのかを利用者側と著作者側の両方から見ることができます。

 

では前編いきましょう!

 

 


 

☑著作物ってどんなもの?

まずは、著作権が保護する著作物とはなんなのかをイメージできるようになりましょう。

著作物とは創作的な表現です。例として以下のようなものがあります。

著作物

 

著作物とは創作的な表現と言いましたが、本当に言葉の通りで、考えて作られた表現ならたいてい当てはまります。

「①小説、脚本、講演など」で言えば、俳句も含まれます。五・七・五のたった17音ですが、創作的な表現と捉えられれば立派な著作物です。

「⑧写真」は、一見、現実にあるものをそのまま写しているだけのようですが、構図やシャッタースピードや撮影時間帯など様々な設定をして創作しています。立派な著作物。

上記の①〜⑨にすんなり当てはまらなくとも、著作物といえるものはあります。

例えば「漫画」は、①と④の組み合わせ。ファイナルファンタジーのような映像の綺麗なゲームなんかは⑨と⑦の組み合わせと言えます。

 

ただし、②音楽や③舞踏で注意しなくてはいけないことがあります、それは歌った人や踊った人は著作者にならないということです。

著作者はあくまで著作物を作った人。つまり、作詞家や作曲家、振付師が著作者になるということ。

 

 

 

 

☑著作物じゃないもの=自由に使えるもの

では、著作物じゃないものはどんなものがあるのでしょうか。

著作物じゃない=使っても著作権侵害じゃないということなので、結構大事です。

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ひとつひとつ解説しましょう。

①ありふれた表現・定説的な表現

さきほど、俳句も著作物になると言いましたが、あまりにもありふれた表現だと著作物として評価されません。

「夏休み キャンプに旅行 楽しみだ」こんな俳句は、他者にパクられても著作権侵害だと声をあげられないですね。

また、「俺の全身の筋肉が唸りをあげた」というような定説的な表現も著作物とはいえません。

前後の文章込みで一塊に見るなら変わってくるでしょうが、小説中の一文を借りても著作権侵害にあたらないことはあるのです。

 

絵でも同様。

丸書いてチョン(・_・)←こんな絵は創作的と言えません。

でも「子どもの落書きでも著作物」と言われるようなので、やはり考えて描いたものであればそれなりに評価はされます。

 

線引が難しいですが、臭いものにはフタをするのが安全ですね。

 

 

②事実・データ

フランスをテーマにした漫画を書こうとしているのに、周辺国との位置関係や歴史を踏まえずにストーリーを描けないなんてことになったら困ります。

世の中の創作物がすべてSFになってしまいます。

 

新温泉町には加藤文太郎という著名な登山家がいましたが、その彼の生き様を元に書かれた「孤高の人」という小説があります。

小説中には加藤文太郎本人の名前や浜坂の地名など事実に基づく例がいくつも出てきます。

事実を元にしていますが「孤高の人」は著作物です。構成や文章に多くの工夫があるので。

ですが、加藤文太郎をテーマにした小説は書いて良いのです。

事実は著作物でないので、自由に書けます。

しかし、事実をどう捉え、どう表現するかは腕の見せどころなので「孤高の人」に影響されすぎた構成や言い回しには気をつけなくてはいけません。

 

事実やデータは著作物ではありませんが、同じ事実やデータを元にした作品がある場合は、気をつけなくてはいけません。

 

 

③アイデア・着想

「加藤文太郎の小説を一人称で書く」というアイデアは自由に使えます。

「空気遠近法」や「金田パース」といった技法もアイデアとして自由に使えます。

「料理のレシピ」も自由。

 

ただし、アイデアを使って全く同じ表現になるのは厳禁ですよ。

普通に空気遠近法を使って助成を書いても、「モナリザ」にはならないですからね笑

 

 

④題名・名称

小説「孤高の人」に加藤文太郎や浜坂という名称が出ています。事実ですしこの項目にあたるのでセーフです。

また、本エントリーに「孤高の人」や「モナリザ」という作品名を出しています。これもセーフです。

ミッキーマウスやサザエさんといったキャラクター名もセーフです。自由に使っちゃいましょう!

ミッキーマウスミッキーマウスミッキーマウスミッキーマウス大鼠男ミッキーマウス

 

 

⑤実用品のデザイン

実用品ということなので機能のあるものですね。

機能があれば、必然的にカタチは似通ってきます。

ボールペンであれば、先が細く、キャップがあり、ラバーがあるというように。

 

ただし、せっかくボールペンの商品を作ったのに著作物じゃないからパクリ商品が出るというのはあまりに自由。

なので、実用品のデザイン(工業デザイン)は著作権ではなく意匠権という制度に登録出願することで10年ほどパクっちゃダメですよと保護されます。

 

また、あまりに芸術的で、機能はあるが逸品として評価できるようなボールペンは著作物として認められることもあります。

 

 

 

 

☑まとめ

著作物とそうじゃないものを挙げてみました。

著作物じゃないものは自由に使えますが、同じ素材(著作物じゃないもの)を使って、結果的にとても似た著作物を生み出してしまうのはダメということも述べました。

似ているかどうか、著作物かどうかの線引は曖昧なところもあり、つまり法的にグレー領域があるわけですね。

ややこしいです。

 

グレー領域は基本的に関わらないのがベターです。

著作物かも知れない作品を取り扱うのは避ける

これさえ心がけていれば著作権侵害は、おおかた避けられるようになります。

 

「著作権の権利を活用したい」「著作物をうまく利用したい」とお考えの方は、次回エントリーをお読みください。

次回「著作権についての概要・後編」は「著作権侵害で何が起きるのか」「著作権で保護される権利」を書きます。

 

 

この記事を書いた人

岡坂 遼太おかさか・りょうた/理事長
新温泉町出身、在住。
大学進学で東京へ行き、理系の大学なのになぜかメディアアートや広告を勉強する。卒業後、帰ってきてNPO法人あっと但馬を立ち上げた。
ブログではネット活用をメインにアイデアの種や地域活性化の種をバラまき続けている。
趣味が多い。マウンテンバイクなどのアウトドアから陶磁器集めなどのインドアまで幅広いので、ブログのネタにしたいけど読者に求められていないので控えている。
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